その先は知りたくないです

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 結果、千坂の誘いは断った。だが、一緒に飲んでいる。  ただし、二人きりではない。社長と会社の同僚も一緒だ。  その中に五十嵐もいて隣に座っている。時折、千坂さんの視線が痛いけれど、無視してビールを流し込んだ。 「千坂さんがこっち見てるよ」 「あんなに女の子に囲まれているくせに、恨めしそうにこっち見るなってぇの」  千坂の近くに社長と十和田がいて、その周りには女子社員がいる。  ちなみに百川の近くにいるのは五十嵐と男の先輩ばかりだ。 「おーい、女子たち。ここにも男がいるぞ~」  同じ部署の先輩が悲しそうな顔をして隣に座る。既に酒が回っているようだ。 「はは、その通りですよね」 「だよなっ」  肩に腕を回して締め付けられた。酒とたばこ臭くて苦笑いを浮かべていると、 「先輩、ここに入れてくださいよ」  間に千坂が割り込んできた。 「この、モテ男め」  先輩の腕が離れて、ターゲットは百川から千坂へと移る。  ホッと息を吐くと千坂と目が合った。 「あ……」  女子に囲まれた羨ましい場所から抜けてここにきたのは助け船を出すため。  お礼を言おうと口を開きかけたが、数人の女子がこちらに移動してきて無理やり割り込んできた。  座っていた場所を奪われて、五十嵐と俺は目くばせをし場所を移動する。  向かったのは静かに飲んでいる一ノ瀬と万丈がいる席だ。
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