裸エプロンは致しません

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 綺麗な背中だ。  引き締まった腰と尻だなとぼんやりと眺める。 「んっ!?」  まさかの裸エプロン姿に一気に目が覚めた。 「なんて格好しているんですか」 「裸エプロン。どうだ、セクシーだろ?」  とポーズをとって見せる。 「えぇぇ……」  うっすらとひげが生えているし、髪なんて寝ぐせだらけだ。  萎える百川に、千坂は不満げな顔をする。 「お前がいつまでたってもしてくれないからさぁ」 「嫌ですよ」 (尻と乳首をもまれていやらしい気持ちにさせられて、とろとろになったところに熱くてかたいのを突っ込まれるに決まっている!) 「するに決まってんだろう」 「え、何をするんですか」 「お前、心の声がだだもれだから」  千坂が口角を上げ、そして。 「あー、やばい、焦げたぁ」  と声をあげる。  床に落ちているパンツをはいて千坂の傍へといくと焦げたにおいがする。 「真っ黒ですね」  千坂が朝食を作ろうと思っていたなんて。家事をしたがらない男が、だ。  じわりと胸が温かくなる。 「食べさせてください」  お皿へと玉子焼きをのせて箸を千坂へ渡す。 「あぁ」  玉子をカットし、箸でつかんで百川へと口元へと運ぶ。  かたくて苦い味がする玉子焼きだけど、優しい甘さがある。 「美味しいです」 「そうか。よかった」  子供のように頬をほころばせる。 「なぁ、俺のために甘い玉子焼きを焼いて?」 「わかりました。着替えて待っていてくださいね」  髪に口づけをひとつ。そして千坂のエプロンを外して、今度は百川が身に着ける。  素っ裸の千坂に、 「それ、俺がしたかったやつ」  と言われ、せっかくのホッコリ気分が台無しとなる。 「もう、本当に残念な男ですね」  黙りなさいと尻を鷲掴みすると「きゃっ」とわざとらしく声を上げ、笑い声をあげた。
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