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少しだけ
次の日が仕事の時は滅多に家に来ないのだが、高校の同級生と飲む約束があると言っていた。
「俺んちに帰るより百川の家の方が近かったから」
帰るのが面倒だったと、百川に抱きつく。
酒とたばこのにおいがする。千坂は酔うほどは飲んでいないようだ。
「臭いです」
体を引き離すと、再び抱き着かれた。
「百川はいい匂いだなぁ」
スンスンと鼻を鳴らし匂いを嗅いでくる。
「お風呂に入ったばかりですから。ほら、千坂さんもお風呂に入って匂いをとってきてください」
いつでも泊まれるように千坂のモノが置いてある。
「はーい」
良いお返事をし、千坂が風呂へと向かう。
シャツは洗濯、スーツは衣類スチーマーをかける。
風呂からでてきた千坂は髪が濡れたままで、
「ちゃんと乾かさないとだめですよ」
とバスルームからドライヤーを持ってきた。
「やってくれるのか」
「座ってください」
百川がソファーに座り、足の間に千坂が収まるかたちで座る。
「はぁ、いいねぇ」
「いいねぇ、じゃありません。ものぐさなんだから」
文句を言いつつも、つい、世話を焼いてしまう。
だから千坂が余計に何もしなくなるのではと思いつつも、この触り心地の良さにあらがえない。
「はい、おしまいです」
もっと触っていたいが、これ以上はやめておく。
顔を覗き込めば、千坂がうとうととしていたからだ。
「さ、寝るならベッドに」
「んんっ、やば、きもちよくて寝そうになった」
「俺も、もう寝ますから」
ドライヤーを置きに行きベッドへと向かうと千坂がポンと開いているスペースを叩く。
「はい、今行きますから」
隣によこになればベッドの軋む音がして、覆いかぶさり目線を合わせてくる。
さっきまで眠そうにしていたのに。
「明日、仕事ですからダメですよ」
「少しだけ」
「そういって。少しじゃ済まないくせに」
「うん。でも、たっちまった」
とかたくなったものをすりつけてきた。
「トイレで抜いてきてください」
する気はないと体を横に向けるが、千坂にあおむけにされてしまう。
「ちょっと」
「手をかしてくれたらいい」
「嫌ですよ。オナるのに俺を巻き込まないでください」
だが、千坂が止まるはずもなく、手をつかまれてズボンに突っ込まれた。
熱くてかたいものが甲に触れる。
「そのままでいい」
そういうと、それをこすりつけた。
「千坂さん」
「はは、やっぱり物足りねぇわ」
といいながらも無理やり抱くことはしない。
「仕方がないですね。扱いてあげますよ」
「匂いも嗅ぎたい」
「どうぞ」
起き上がり向かい合わせに座ると千坂のモノを握りしめた。
肩のあたりに顔を埋め、すんすんと匂いを嗅ぎ始める。
「はぁ、いい匂いだ」
鼻が首にこすれてくすぐったい。
「ん、千坂さんも俺と同じ匂いがするでしょう?」
「でも、百川はいい匂いだ」
頬が赤く染まり、甘く息を吐く。
いつもこんな顔をして自分をオカズに自慰をしているのだろうか。
思わず喉が鳴ってしまい、それに気が付いた千坂が口角を上げた。
「百川、興奮しているのか?」
している。
恋人の、こんな姿を見てしまったら、気持ちが高ぶるものだろう。
「千坂さんがエロいからうつったんです」
「そりゃ、いい」
手が百川のモノへと触れる。
「んっ」
ふにふにとそれを確かめるように動く手に、百川の芯を甘く痺れさせる。
「一回だけ、付き合ってあげても、いいですよ?」
と首に腕を回せば、喜んでと千坂が百川へと唇を重ねた。
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