俺はオカンじゃありません

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「百川ぁ」 「千坂さん、なんです、この部屋」 「んん? 男の部屋ってかんじだろ~」  いや、男だからと部屋が汚いとは限らないから。俺はきちんと掃除をしている。 「それ、偏見です。とにかく、寝室は」 「奥」  指をさす方へと歩きドアを開くと、大きなベッドに服が散乱していた。 「ここもか!」  ひとまず服の上でもかまわずに寝かしつける。  なんとか千坂さんの下敷きにならずに済んだ服を抱え込んで床へ一塊にしておく。 「百川、みずぅ」 「はい、今持ってきます」  台所へと向かうと、ここだけは綺麗だった。というか、冷蔵庫やレンジ以外は使っていないかんじ。  水を取り出して寝室へと持っていく。 「千坂さん、水です」 「ん」  身を起こし、それを口に含む。 「ももかわぁ」 「はい?」  そしてなぜか口移しで水を飲まされた。 「ふぐっ」  水が入り込み、口の端から垂れていく。 「こら、垂らすな」  とそれをなめとり、そして口づけをされた。 「んっ、らめ」  舌が絡み、息が上がる。 「千坂さん」 「可愛いな、お前」  と再びキスをする。 「千坂さんっ」  ぐったりとする百川をよそに千坂は気持ちよさそうに寝息を立て始めた。 「な、この酔っ払い」  キス魔になるとは最悪だ。そして、自分の下半身を見てがっくりと肩を落とす。 「なんでたつかなぁ……」  キスが気持ち良かったと認めたくない。だが、下半身は正直だった。  トイレで抜いた後、ベッドの傍に腰を下ろした。
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