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俺はオカンじゃありません
明日は休みとあって、多少の残業も苦にならない。それもそろそろ終わりが見えてきたから余計にだ。
珈琲を飲み、パソコンを睨みつけること三十分。
「はぁ、終わった」
大きく伸びをすると、
「お疲れ様、百川君」
「お疲れ様です、千坂さん」
隣の席に座るイケメンが笑う。同じ職場の先輩である千坂だ。180センチある百川よりも拳一個分くらい身長が低く、バランスの取れた体格と容姿をしている。
姿勢の悪い百川には、背筋を伸ばし堂々としている千坂のことをかっこよく思っていた。
そう、二か月前、千坂のだらしなさを知るまでは。
「なぁ、俺の部屋を掃除しにきてくれないか」
と手を合わせる。
「はぁ、わかりました」
土曜日に千坂の部屋へと行き、掃除と洗濯物をする。
これではまるで母親だ。そう思いつつも、なぜか断れない自分がいる。
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