永遠の眠りにつく前に

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私はどこにも居場所がなかった。 学校にも、家にも、どこにも。 そんな時に付き合いだした龍臣が世界の全てになることに、時間などかからなかった。 2人で色んな『初めて』を経験した。 手を繋いで、キスをして、体を重ねた。 一緒に過ごした時間全てが、砂漠のような梓沙の渇いた心に幸せな潤いを与える。 初めて、人の心の中に居場所を見つけた。 しかし2つ季節が過ぎた頃、 龍臣は他の女の子を好きになった。 私はまた、居場所を無くした。 たったひとつの居場所を。 一緒に過ごした季節よりも多くの季節が過ぎていく中で、龍臣は何人かと付き合って別れ、また付き合った。 龍臣は新しい彼女ができるたび、 「流れで付き合っちゃったけど、別れたらおまえとまた付き合いたいから待ってて。」と、 呪いのような言葉を囁いた。 それでもその言葉を信じて待っていたのは、 別れてもなお、龍臣は私にとって世界そのものだったからだ。 ある日のこと、龍臣がまたちがう彼女を作った。 私が小学生の時から可愛がっていた後輩。 その時だ。 何かが壊れだした音がした。
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