【6日目】

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「俺さぁ、初めて見た時から藤代さん、気になってたんだよね。なのに部長と付き合ってるなんてなんの冗談かと思ったよ? ねえ、あんなおっさんじゃ絶対物足りないっしょ、やっぱ若さ大事よぉ。ね、だからさ、確認のために一回しよ?」 「生憎だけど、部長とは毎回満足のいくエッチをしてます」 奈々は怒りで震える声で答えた、それを長島はなおも勘違いする。 「またまた~、部長に気を使わなくていんだよぉー、俺の方がいいって!」 言ってさらに腕に力を込め引き寄せる、熱いものがごりごりと擦りつけられた、奈々は呆れた溜息で返す。 「それって、本番サイズですか?」 「え? は? あ、いや、もちょっと大きくはな」 「じゃあ、全然ですね、その程度のナニじゃ私は満足できません。部長のなんか凄いんだから。あんなので毎晩抱かれてたら他の男のなんか指と変わりません」 「──は?」 何を言われているのかよく判らないが、途端に股間のものがしおしおと大人しくなってしまう。 「てめえの小さいナニじゃ満足できないって言ってんの。離しなさいよ」 「俺のが小さいって……!」 「一度部長の見せてもらって身の程を知れ」 「はあ……っ!」 言い返そうとした長島の言葉を、どこからか響く吹き出すような笑い声が止めた。 「──えっ⁉」 奈々が慌てて振り返り出入り口を見た、一番に目に入ったのは長身の金原友弥だった、顔を右手で覆い立ち尽くしている。 「と、友くん!」 慌てて体を振るが長島は離れない、体を掴む手を叩いてようやく離れた。 友弥の背後には市松と遠藤と、経理部のメンバーも見えた、皆揃って顔を真っ赤にしている。経理部のメンバーは恥ずかしそうにしているだけだが、市松など奈々と友弥の顔を見比べ、結んだ唇からぷぷと笑いが漏れている。 (嘘、聞かれた⁉) にやりと笑った市松が、友弥を見上げ話しかけた。 「そうなんだあ、部長……」 友弥は顔を覆った手の下で「やめろ」と抵抗する。 「聞いてるくらいなら助けてくださいよ!」 それは全員に向けた言葉だ、なんとなく恥ずかしくなって臀部を隠しながら怒鳴る。 「悪い、完全に声をかけるタイミングを失った」 友弥は耳まで赤くして答えた。突然立ち上がった長島がどこへ行くのだろうと何気なく見ていたら奈々の後を追ったので、何をするつもりなのかと付いてきたら奈々が襲われていたのだが、よもやそこで彼氏自慢が始まるとは思わなった。 駄目だしされた長島は口をパクパクしながら友弥を見る、さすがに友弥もばつが悪そうに頭を掻きながらもふたりに近づく。 「まあ、そういうことらしい。諦めろ」
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