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お母さんに入れてもらったミルクを飲み干すと、
ボクは急にとても眠くなった。
あぁ。
昨日も寝れなかったもんなっ。
ボクはソファーの傍にあるクッションに身を丸めた―。
「チビ、眠いの?」
みゆちゃんがボクの頭を撫でた。
「クゥン~・・・」
今日はみゆちゃんの笑い声が聞こえるよ。
ボクの一番安心する声。
ね、みゆちゃん。
ボクの言葉、ワンしか言えないのになんで分かったの?
お腹がすいた時、
遊んで欲しい時、
散歩行きたい時、
・・・ボクは不思議でならなかったよ。
あ。
「みゆちゃんが好き」って言った事もばれちゃってたのかな?(笑)
ボクがうとうとしてると、
ピューって春の風がボクの体を撫でるように吹いた。
そして、
その風は、一枚の桜の花びらを届けてくれたんだ。
あの時と同じ色の花びら。
うすいピンク色した花びら。
みゆちゃん。
忘れないよ。
みゆちゃんが教えてくれた事。
『桜って、満開に花をたくさん咲かせてくれてる時も綺麗だけど、こうやって風に飛ばされて散る時も綺麗なんだよ』
今は、ぐっすり眠れそうだよ・・・
おやすみ。
みゆちゃん。
- END -
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