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観月緋菜
結論かというと、話してよかったと思ってしまった。
突然話しかけてきたから変な人かと思いきや、ただただ僕よりもギリギリ電車に乗れなかった女の子と暇つぶしをしただけだ。
そこから一緒の電車に乗って僕が降りるよりも二駅前の駅で降りて行った。
彼女の名前は、観月緋菜、近くの女子校に通う二つ下の高校1年生。
わかったことはこれだけ。
お互いの簡単な自己紹介としょうもない世間話だけで1時間が過ぎ、電車では質問されっぱなしだったのであまり向かうのことは知れていない。
あ、最後に観月という苗字は嫌いだから緋菜の方で呼んで欲しいとだけ言われた。
同じ駅から乗ったってことは案外そのうち会えると思って、連絡先の交換などはしなかった。
それに僕は嘘をつけない性格なので嘘は言っていない。
もし緋菜ちゃんが、本当は大人でスパイ的な活動や危ない人とは考えたく無いが危ないひとだった時、連絡先を教えてしまったら一生つきまとわされるのではと思ってしまった。
おっと、そんな余計なことばっかり考えている暇は無い。
学校は授業中だ。
どんないいわけをしようか考えなくてはいけない。世話焼きの幼なじみとうるさい友達共に笑われてします。
そう考えながら正門をくぐった。
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