出会い

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出会い

「お兄さん、1時間だけ私と話さない?」 僕の前には知らない女の子が立って、気づけば二人で話すことになっていた。痴漢とかそういうのじゃ無い。一瞬新手のナンパかと思った。このような事態になったのには理由がある。のか? 6月という季節の割にカラッと晴れているある日、 僕、世古陽太は今日も見事に寝坊した。寝坊は日常的だから目覚まし時計は早めにセットしてある。高校はちょっと遠い。今年で三年目だが、1時間に一回しか無い電車に乗り遅れる回数は誰よりも多いだろう。。いつもギリギリだから電車に乗れる日もあれば、乗れない日もある。今日は乗れない日だった。しかも、あと1分早ければ乗れたのに、と言う感じだ。 「最悪!」 周りの人はみんな電車に乗ったと思ったからちょっと大きめの声の独り言。それなのに、すぐ左に女の子がいた。女の子は一人で笑うと僕の前に立ってこう言った。 「お兄さん、電車に乗り遅れたの?」 僕は、この時この女の子の存在に気がついた。 「ねえ、お兄さん、1時間だけ話さない?」
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