昔々あるところに

1/1
前へ
/5ページ
次へ

昔々あるところに

昔々あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。ある日のことおじいさんは山へシバを狩りにに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。すると川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてくるではありませんか。あまりに驚いたおばあさんは茫然とその桃を見送ることしかできませんでした。一方のおじいさんは山で見つけたシバに敢然と戦いを挑みます。おじいさんは最初から全力で攻撃を掛けます。手に持った鉈が閃くのと同時にシバの右肩から左わきに掛けてざっくりと切り裂かれます。初撃で致命傷を負ったシバは悲痛な叫び声をあげて逃げ出します。しかしおじいさんがその隙を逃すはずもありません。シバの背後から飛び掛かるとおじいさんは隠し持っていた苦無をシバの背中に突き立てます。その追い打ちにシバはもはや立ち上がることもできません。おじいさんはシバの背中にまたがるとその首に鉈の刃を当て水平に切り裂きました。シバの体は崩れ落ち、切り離された首から大量の血液が噴出します。おじいさんはシバの上に片足をかけて立ち上がると、切り落とした頭を高々と掲げて勝利の雄たけびを上げました。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加