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「まあ、それは冗談だ。着なくていい。……あ、でも演劇部の話は本当だぞ。もう却下したから。」
……でしょうね。
「良かった。もうすぐ お嫁に行くのに、行けないかと思った。」
「……は?何、お前。結婚すんの?」
私が吐き出した独り言を聞き逃さなかった璃人が、目を丸くして問う。
「そうですよ。……相手は、まだ見つかってませんが。」
「はい?」
「うちの家は、お母さんも お祖母ちゃんも、そのまたお祖母ちゃんも16歳で結婚して、17歳で子供を産んでるんです。
だから、私もきっと……きっとすぐ素敵な人が現れて、結婚するんです。」
うん。きっとそう。
そうに決まってるわ。
「お前、バカなの?」
「え?」
「……いや、何でもない。まぁ、頑張って素敵な人とやらを見つけてくれ。」
「はい!!」
それには、ニッコリとして返事をする。
これからの高校生活が楽しみだ。
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