マイ ダーリン✿

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**** ……これは、ここ。 これは、昨年度の……。 結局、お手伝いというのは生徒会室の整理だった。 大量に机の上に積み上げられたファイルを年度別に分けていく。 私が一生懸命、仕訳をしている間、璃人は難しそうな顔をして、難しそうな書類を読んでいた。 ……黙ってれば、普通にカッコいいのに。 その時だ。 コンコンと教室の扉をノックする音が静かな私たちの間に響いた。 ガラガラガラ。 「あ!いたいた!璃人!」 ノックした相手は、キャピキャピした声の可愛らしい女の人だった。 「どうしたの?吉野(よしの)さん。」 入ってきた吉野さんという方に嫌な顔せず、まるで張り付けたような笑顔で出迎える。 「ねぇ、いつ終わるの?それー。」 「まだもう少しかかるかな。何かあった?」 「今から新しいクラスの行ける皆で遊びに行こうって。璃人も行こーよー。」 「俺はいいよ。皆で楽しんできて。」 「えー!」 頬をプクーっと膨らませて、璃人の腕をクイクイと引っ張る。 璃人は迷惑そうだとは思うが、そんな雰囲気を全く見せずに笑顔で対応している。 ……え!何か私の対応と全っっ然違くない!? やがて、吉野さんは諦めたのか、トボトボと教室を出ていった。 ガラガラガラ。 と教室の扉が閉まるのを見届けると璃人は深いタメ息を吐いた。 「…………。」 「何だよ。」 そんな璃人をじーっと見つめていると、私の視線に気付いた璃人が言う。 「別に。何か私と対応の仕方が違うなーって。」 「そう?」 「はい。迷惑そうなのにニコニコしてるし。……本当に女嫌いなんですか?」 「女は……苦手だ。何考えてるか全然わかんねー。」 「じゃあ、恋愛対象は男性?」 「アホか。んなわけねーだろ。」 ……何だろう。 何か、可愛い。 .
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