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「え?まじ?早く私達も見に行こ!」
「目の保養ー!」
パタパタと廊下を駆け抜けていく子達までいる。
茜もその光景を不思議そうに見ていた。
「……何かあったの?」
目を輝かせて教室を出ていこうとしていた綾部さんに聞いてみる。
すると綾部さんはめちゃくちゃ笑顔でこう言った。
「生徒会長とイケメン仲間達が一年生の廊下に来てるんだって!!
上級生……しかも学園1のイケメン生徒会長を近くで見れる機会なんて滅多にないよ!」
「へ、へー。そうなんだ。」
確かに、そうだ。
上級生の教室は1年生の教室からは少し離れていて、3年生や2年生が来ることなんてない。
もちろん、一番下の1年生が、上級生の教室に行くなんて勇気は中々ないわけで。
「お、おはようございます!」
「おはようございます!」
黄色い声が近付いてくる。
皆、挨拶するのが精一杯なのだろう。
「おはようございます!」
「おはようございます!皆様!」
「うん。おはよう。」
「はよー!皆、可愛いなー。」
「相変わらず人気者だな、不破生徒会長。」
「……。」
……嫌な予感しかしない。
「……きーちゃん?」
「嫌な予感しかしない!私は居ない。私は居ない。居ないと言って。もし来たら、居ないと!」
その言った瞬間だ。
「おーーい!希子りーーん!!」
璃人の隣にいる知らない3年生が私を呼んだ。
……誰だよ!希子りんって何だよ!
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