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「……あのー……ここは?」
皆の好奇の目を掻い潜り、連れてこられた先は、普段あまり使われる事がないであろう場所にある女子トイレ前だった。
朝なのに薄暗く気味が悪い。
「希子りん……ここはね……夜になるとトイレの花子さんが出るという幽霊トイレなんだよ。」
「へ!?」
茶髪の先輩、猪野 広大が私に真面目な顔をして言うものだから、私の顔も強張ってしまう。
「そうそう。放課後、見回りしていると、変な声が聞こえるとか、聞こえないとか。」
「……。」
ふわふわキャラ、紀藤 由宇も猪野さんに便乗してきた。
背筋にぞわぞわしたものが走って、言葉も出ない。
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