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「お前。今、暇なの?」
「は?」
……何でそうなる。
まあ、帰っても特に予定もないのだけれど。
「どうなの?」
「はい、めちゃくちゃ忙しいです。」
「そう。じゃあ、手伝って。」
「え。」
……この人、人の話聞いてる!?
私、今忙しいって言ったよね?ね?
「くく。お前ら最高だな!……媛野さん、この後用事あるの?」
「……何もないですけど。」
「じゃあ、手伝ってやってくんね?りー、生徒会長なって、超忙しいんだよ。」
「……1年の私なんかが出来るでしょうか?」
「大丈夫、大丈夫!ちゃーんと媛野さんが出来ることしか言わないよ。なぁ、りー?」
「さあ。」
「お前もそんな虐めんなよ。可哀想だぞ。……それにさ。りーが女の子にこんな絡むなんて滅多にないんだ。」
「え?」
「何せ、りーは女嫌いだから。」
……女、嫌い?
璃人は確かにイケメンだ。
モデルをやっていると言われても、納得出来てしまう。
証拠に、周りの女子達はキャーキャー黄色い声を上げていた。
そんな璃人は、女嫌い?
「余計なこと言うな、仁哉。」
「本当のことだろー?」
鬼怒川さんを睨み付けているが、鬼怒川さんは何の悪気もなさそうだ。
「……とにかく、生徒会室にちょっと来て。」
はぁ。と深いタメ息を吐いた後、私にそう言った。
「……分かりました。」
こうして、何故か私は璃人のお手伝いをしに、生徒会室に向かったのだった。
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