〜新たな出逢い〜

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〜新たな出逢い〜

僕は雨の中、宛もなくただひたすら歩き続けた。 凍えそうに冷たくなった身体を、一人抱き締めながら… ユノはもう、僕がいなくなったこと気がついたかな… ごめんね…ユノ… 僕じゃ、君を幸せにしてあげられないみたい、、 いい人見つけて、幸せになってね…ユノ、、 薄ら夜が明け、うっすらと明るくなった頃、僕の視界に小さな港町が飛び込んできた 流石に歩き疲れて、足がジンジンと痛むし、寒くて身体の感覚が無い 扉の無い納屋を見つけ、暖をとろうとうずくまっていると、近くを通りかかった老婆に声を掛けられた 「あなた…大丈夫?」 「あ…っ…はい…」 「どうしの?こんな所で?」 「帰るところがなくて…」 「…そう、じゃあ家に来るといい」 そう言って連れてこられた民家は、お世辞にも綺麗とは言えないが、広くて懐かしい感じの家だった。 「あの…ぼく…」 「寒かっただろ?まず、お風呂に入りなさい…濡れたままだと風邪引くよ」 そう言うと、僕をお風呂に案内した 「ありがとうございます…助かります」 僕はお風呂に入り温まった 「おなかはすいてないかい?」 老婆は温かいお茶を出し微笑んだ 「こんなものしかないけど、召し上がって?」 そこには美味しそうで、どこか懐かしい感じの料理が並んでいた 「ありがとうございます…頂きます」 「…美味しい」 僕は並んでる料理を夢中で頬張った 「おやおや…そんなにお腹がすいてたのかい?ゆっくり食べないとダメよ…フフ」 「あ…あの、親切にありがとうございます…」 「行くところがないんだろ?しばらく、家でゆっくりするといい」 「で…でも…」 「大丈夫、大丈夫、1人で住むのには、この家は広すぎてね‥寂しいんだよ、、娘ももう居ないしね…」 「あ…ありがとうございます…では、お言葉に甘えてもいいでしょうか?何でもするので、暫く置いてもらえると助かります!! こうして僕は老婆の家に住み着いた
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