9人が本棚に入れています
本棚に追加
ややあって、俺の家は大渋滞状態だ。真由も含めるといつもの8人。
勇騎、美穂、耶俥、西園寺、凪川、輝…。
皆、真由を助けるために駆けつけてくれたのだ。
「真由…。」
苦しむ真由の手を握る輝。普段なら真由に近づくなぁ!とか怒るところだが、今は純粋に感謝しか湧いてこない。
「…ここでボサっとしてても仕方ねぇ…ゲムデウスとかいうボスは何処にいる。」
「すまねぇ…それはまだ…」
肝心の病原体が見つかっていない。
パラドが言うには普通のゲーム病以上に進行が早いのだ。グズグズしてれば真由の命が…。
「…よし、ゲムデウスを見つける方法を思いついた」
光明をもたらしたのは勇騎だった。
「どうするつもりだ?」
パラドが問う。
「パラド…お前にも協力してもらう。桐生戦兎の知恵を受け継いだ俺の力…見せてやるよ」
勇騎が見せるのは戦兎と永夢のジュエル。
その場でボストンバッグから取り出した機材を設置していく。その真ん中には、血圧計のようなものが置いてあった。
「…パラド。この中に腕突っ込め。お前からバグスターウイルスを採取して、ゲムデウスの痕跡を追う。」
「わかった…!」
ニヤリと笑ったパラドと勇騎が手を取りあった。
その瞬間だった。
「…っ!」
突如勇騎が苦しみ始める。
それと同時に、ポケットからこぼれ落ちたジュエルが輝き始めた。
「…そういう事か」
どこかパラドの納得したような笑み。
「勇騎!どうしたの!パラド!勇騎になにしたの!?」
まさかとは思うがバグスターウイルスに感染したのだろうか。
だが、パラドの答えは予想をはずれていた。
「俺の“天才ゲーマーM”の力が勇騎に入り込んだ。これから勇騎は“ムテキ”の力を手に入れるんだ…!」
橙と翡翠の光を放つ勇騎。その光は次第にマゼンタに変わり、そして黄金へと変わる。
そして…ジュエルに吸い込まれた光はその表面に、黄金のエグゼイドの姿を映し出した。
最初のコメントを投稿しよう!