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「あー、しんど…パラド。お前こうなるの分かってたのか?」
荒い息を吐きながらもテキパキと準備をしていく勇騎。対するパラドは軽くおどけて素知らぬ顔。
コイツ絶対わかってたな。
あからさまなリアクションに全員が呆れ顔になった。
「さて、とりあえず参戦組決めるか…」
気だるそうにしながら耶俥が呟く。そしておもむろに…
「神崎は当然として、美穂ネキと彩、凪川…お前らも行ってこい。俺と後のメンツはお留守番だ」
「は!?俺も行くっつーの!」
勝手に決められて不服というように輝が騒ぐ。
だが、俺はその意味がわかった。
「輝。」
「なんだよ、改まって気持ちわりい」
一々ツッコまないで欲しい。
「耶俥が選んだのは皆、エグゼイドの世界のライダーの力を持ってる人選だ。ゲームの世界で十全に戦える…。だから頼む。俺達がいない間…真由を、たった1人の家族を…守ってやってくれ」
そう言って頭を下げる俺に狼狽える輝。
「ばっ…!男が簡単に頭下げんなよ!俺だって真由は大切なダチだと思ってんだかんな!守ってやるよ!バグスターだろうがなんだろうが…負ける気がしねぇ!」
見れば耶俥もバツが悪そうに首肯ている。
皆…ホントにありがとな。
込み上げてくるものを抑えながら、俺は心の底から妹を思う皆に感謝した。
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