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殿(しんがり)凪川(ブレイブ)に任せ、俺達は城内に突入する。 赤絨毯(レッドカーペット)が広がる大広間。 中央には上へと続く階段。 その先には重々しい扉があった。 神崎(オレ)、勇騎、パラド、美穂、西園寺がその階段を上がろうとしたその時。 放たれる弾丸が俺達の手前で爆ぜる。 「…ワカナか?」 扉の前にいたのは仮面ライダーポッピー。 だが、あの喧しい(ワカナ)と違い、終始無言だ。 いや…。 「ポパピプペナルティ…退場」 うん、本人(ワカナ)じゃねぇな。アイツはあんなドスの効いた声出さねえし。 やばい殺気を放つそいつは簡単には突破できそうにない。 「私がいくよ…!」 名乗りを上げたのは意外にも美穂だった。既にジュエルを構え、臨戦態勢である。 「…任せた。追いついてこいよ、美穂」 勇騎が何とも()ける信頼感を感じさせる台詞を言う。 それに美穂はニコリと笑い…勇騎の投げ渡したジュエルも一緒に構える。 「任された…!」 レベル差が相当にありそうだが大丈夫なのか?と目で勇騎に問うが、勇騎も美穂も笑って頷いた。 「…よし!任せたぜ!」 『ドレミファビート!』『昆虫大戦争!カブト!』 「…ステージ3、大!大!大変身!」 『ガッチャーン!レベルアーップ!BEAT!BEAT BEAT BEAT!ドレミファ!ビート!アガッチャ!テテンテン天の道!キャキャッキャキャストオフ!クロックアップ!ビートル!」 美穂の姿は普段の姿(ビート)にカブトの角と装甲を合わせたようなものに変わる。 「いって!」 その言葉を残した直後、猛スピードでポッピーを階段から引き離して玄関ドアに抑えつける美穂の姿があった。 それを見届けた直後、俺達は階段上の扉を開けて次の部屋へと向かったのだった。 「…違反行為だよ?皆で戦わなきゃ」 「ゲームのプレイングはプレイヤー次第でしょ!?チートしてる訳じゃないんだから!」
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