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「…何処だ、此処は?」
拡がっている空間には、嘗ての俺がたどってきた軌跡がパノラマのように展開されていく。
それは、辛くもあり、懐かしくもあり、様々な感情に“俺”の心は躍った。
「気に入ったかな?Mr.パラド…!」
ハッと我に返り、声をかけてきた相手を睨みつける。
「ゲムデウス…!永夢は何処だ!」
「NO~、それは的確ではな~い、Mr.パラド…!君が、ゲームエリアに飛ばされたんだ」
「…永夢は現実の世界にいるのか」
「彼には用はない…君にcoolなゲームを楽しんでもらおうと思ってね…!」
「やってやるよ…大変身!」
『The strongest Fist!Knockout Fighter!』
「Oh…!流石は天才ゲーマーMの源のバグスターだぁ…素晴らしい!」
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俺は永夢と一緒に、目の前にいるラスボスと戦っているはずだった。
だが、大切な永夢は今隣にいない。
俺だけが異空間に囚われ、ラスボスと相対している。
「どうした?Mr.パラド?君の力はそんなもんじゃないだろう?」
ゲムデウスとしてのその姿は、巨大なあの姿ではなく、人型の物だった。
「…心が滾る!」
『デュアル!ガシャット!』
『The strongest fist! What's the next stage?』
「マックス大変身…!」
「ガッチャーン!マザルアーップ!赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアーウト!」
「…ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ…!」
『ガシャコンパラブレイガン!』
武器を携え、俺はゲムデウスに立ち向かっていった。
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「…でもその後からの記憶がないんだ…気づいたらここにいた」
「そっか…。一人で大敵に立ち向かったんだもんな…。」
身体の傷だけじゃない。
コイツは今、心にも傷を負っている。
仮面ライダーとして守るための戦いに敗北し、見知らぬ世界に流れ着いたのだから。
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