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クソが
クソが、クソが、クソが。爪を噛んで何度も心の中で繰り返す。どうしてこんな事になった?あたしの何かいかなかった?
あたしは、スラムで盗みを繰り返して、何とか生き延びていた。
不思議だった。金持ちそうなやつから、ちょっとものを貰うだけなのに何故殴られなければいけない?
何度も何度も浮かび上がる疑問。答えは簡単何も無いからいけないのだ。何もないものに救いはないのだ。
ーーあたしにはあたししかいない。
なのに、奴隷商人に捕まってあたしすらもあたしのものじゃなくなった。
ムカつく。こいつらはあたしから全てを取り上げて何が楽しいのだろう?
あたしから何もかも取り上げるこの世の全てが憎い。
「親方ぁ…これっすか?今日釣り上げた獲物。あのね、そばかすに、ボサボサな栗色?の髪。ありふれた赤の目。しかも貧相な体…とてもじゃないけど売れませんよー」
「磨けば光そうじゃないか?」
「それ言うの何回目っすか?」
そう言って、あたしの髪を引っ張る男。
嫌いだ。何より反抗出来ない自分が。弱くて、何も持たないあたしが。
暫く殴られ続ける。反抗出来ないようにする為らしい。別に良い殴られることにはなれている。寧ろ意味あって殴られることに感謝すべき?
何も持たなくて、何も掴めない。それならいっそのこと諦めればいい。諦めれば楽になれるのだ。
あたしの何がいけなかったのか?恐らく答えは簡単だ。
あたしがあたしに生まれてきたから。
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新連載始めましたー。前々から妄想していた奴隷少女系の話…絶対この環境で純粋無垢にはならない。
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