買われた

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買われた

何日か放っておかれた気がする。それがどれくらいなのかは分からない。だけど、怪我がすっかり引いた後、あたしは、大量の死んだ目の似たような奴らと並べられ、前には大量の人がいた 「まず!初めは一番!!これから虐めても安心な丈夫な体の商品です!まずは30から」 商品。その言葉に嘆くものすらいない。ただ死んだ目でいるのみ。  一番と呼ばれた人も、抵抗すらせずに、ひたすら、次々と人が飛び交わせる言葉を聞いていた。 私が売られる時間が来たんだろうか。それとももう過ぎたんだろうか。私がなんばんかは、分からない。そもそもばんというものが分からない。何かの名前だろうか。 「続きまして、13番!まだ貧相ですがそれからの楽しみがあります!最初は25から!」 「私が5000で買いましょう」 その一言に周りの人が変な空気を出す。今何がおきたんだろう? 「ご、5000以上はいませんね?では落札ということで…」 「はい。では皆さん動かないで下さいね。」 そう言って、さっきの人は指を鳴らして良く分からない圧みたいなものを出す。 それで、皆の動きが止まった。あたしも動けなくなった。 「それじゃあ、後は専門の人に任せますかね。」 そう言った途端に流れてくる人。人。人。そして、奴隷商人も客も捕まった。 動けるようになって、あたしが一番に考えたことは逃げることだ。それが一番手っ取り早い。あたしが…いや、あたしらがそれを一番良く知ってる。その証拠に他の奴らも逃げることにしている。さっきの人に背を向け、逃げようとすると、腕を掴まれた 「おやおや、私の奴隷の分際で逃げるなんて良い覚悟ですね?」 「ってあたしの事か。でも金払ってないんじゃねーの?」 仕方なく振り向く。そこにいるのは綺麗なな人だった。銀色の長い髪で、紫の目。今まで見てきた中でとびっきりだった。と言ってもあたしの見てきた奴ら何て皆泥水を啜ってる奴か、無駄に太い奴だけだが 「私は、良いんです。元々ハッタリでしたし、貴女にそこまで払う価値はないので。帰りますよ。」 はいはい、あたしに、価値がないことはあたしが一番知ってますよーだ。 それに、帰るか…あたしに、帰る家はまず無いのだけれど。
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