はじまり

4/38
前へ
/38ページ
次へ
ヤエはマスズを家に案内した。 砂浜近くに緑色の木々が覆い繁っている。 その木々を掻き分けて行くと洞窟が見えた。 マスズは、思わず前を歩く美少女はモノノケの類いかと勘ぐった。 洞窟は少女達の足で10步位しかなかった。 拓けた場所に白木の御殿が建っているのを、目の当たりにしてマスズはさらに目を見開いた。 (本当に自分は化かされているのではないよな。) いやいや、そんなわけがない。 もしもヤエがモノノケの類いならば、あの浜辺で牙が反応したはずだ。 と、いうことは 「隠れ家か?」 その問いにヤエはにっこりと微笑んだ。 「巫女の屋敷ですわ。」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加