守護天使

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 私は戦争で酷く荒廃した街に居た。鉛色の空の下、建ち並ぶビルはすすけた色をしている。窓ガラスが割れて、その破片が道路に散らばっていた。道路にはゴミが散乱しており、酷い臭いを放っている。そのゴミ溜めの中に蠢く生き物がいた。雌犬である。褐色の毛皮の殆どが、黒っぽく汚れていた。彼女は横たわり、腹を波立たせて荒い息をしている。その乳首に数頭の仔犬がむしゃぶりついて、互いを前足で押し退けながら、乳を吸っていた。その中の一頭が私だった。私は何も考えずに、夢中で乳を飲んでいた。
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