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「りいな、今日はタカさんだよ」
「うん。分かった」
今日もりいなはママとご飯を食べに行く。
ママだけじゃなくて、今日は「タカさん」と一緒。
家の前にピカピカした車で迎えに来たタカさんは、
「りいなちゃん、こんばんは」
と赤ちゃんに話しかけるみたいな声を出す。
でもりいなはちゃんと大人だから
「こんばんは」と返事をする。
タカさんが連れて行ってくれるお店は、焼肉屋さんだったり、
お寿司屋さんだったり、いつもバラバラ。
個室のお店で、りいなとママとタカさんはいつも3人きりだ。
「りいなちゃん、好きなの頼みな」
「うん」
りいなの好きなメニューは正直言ってあんまりない。
でもそういうことは言っちゃ駄目。
ママに怒られるから。
「りいな、これにする」
一生懸命メニューを決めてママを見る。
ママは満足そうに頷いた。
良かった。あってたみたい。
りいな、間違えなかった、とほっとする。
「りいなちゃん、もうすぐ2年生か」
タカさんは、りいなにやたらと話しかける。
「うん」
「そうか。じゃあ、お祝いだ」
と、タカさんはりいなにおもちゃをくれた。
「ありがとう!」
タカさんは、りいなによくおもちゃをくれる。
「りいな、良かったね」
ママは優しい顔で笑っている。
「開けて良い?」
「こら。りいな」
「いいよ。楽しみだもんな。見てみな」
ここで開けないと、ママはりいなに「中、見なくていいの?」と言う。
だからタカさんからもらったものは、タカさんの前で開ける。
そして喜ばないといけない。
それがりいなの仕事だから。
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