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程なくして現れた司馬懿に曹操は意見を求めた。すると彼は少しの間思案した後にこう提案した。
「関羽がこれ以上勢いを伸ばすことは我々同様に呉の孫権が喜ぶはずがありません。ここは曹操様が孫権に使者を遣わされ、関羽の背後を突く様にさせれば、樊城の危機は去るでしょう」
「ふん、やはりそう動くしかないな。孫権に使者を送る。……徐晃はあるか!」
呼びかけに応じ徐晃が前に進み出る。
「ここに!」
「お前に5万の兵を与える。呉が動いたら関羽を攻めろ。いいな?」
「お任せ下さい、曹操様。……龐徳のヤローの仇はこの俺が必ずとってみせます!」
徐晃は不思議だった。イケ好かず、喧嘩ばかりしていたはずの龐徳の顔を思い出す度に、関羽への憎しみが増す一方であったからだ。
「徐晃、死ぬな。必ず生きて戻って来い」
「御意のままに!!」
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