第7話 絡まり合う心

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「で、さっきの続きだけど」  ぼけっとしていた私に振り向き、虹乃さんが聞く。 「紅子ちゃんの好きな人って、大雅じゃないのよね?」 「へっ?」  私はびっくりして間の抜けた声を出してしまった。 「ち、違います! ていうか好きな人なんていません!」 「じゃあよかった!」  虹乃さんが両手を胸の前でぱちんと合わせて、にっこり微笑む。 「あ、あのぅ……」 「ん? なあに?」  私はおそるおそる、にこやかな顔のままの虹乃さんに聞く。 「虹乃さんって……もしかして恋野くんのこと、好きなんですか?」 「え、あっ、聞いてないんだ、紅子ちゃんは、大雅から」 「なにをですか?」  すると虹乃さんはにこっと笑って私に言った。 「私、大雅の元カノなんだー」  元カノ、元カノ、元カノって…… 「えー! 虹乃さん、恋野くんと付き合ってたんですかー!」 「うん。中学の時だけどね」  中学の時……恋野くんは虹乃さんと付き合っていた。  私は二人が付き合っている姿を想像しようとしたけど、二人の中学時代を知らない私には、なにも浮かんでこなかった。 「でもちょっとだけだよ? 三か月くらいだったかなぁ」 「三か月……」 「あの頃の大雅、次から次へと彼女変えてたからね。女の子と付き合っては別れ、付き合っては別れ……私もその犠牲者の一人。いったい何人の女の子が泣かされたことか。あ、私は泣いてないけどね?」  恋野くんのお兄さんが言ってたのって、それのこと?
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