第7話 絡まり合う心

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「も、モテてたんですね……恋野くん」  なんて言ったらいいのかわからず、そう言った。虹乃さんは、あははっと明るく笑う。 「まぁ、黙ってりゃカッコいいからねー、あの兄弟」 「じゃ、じゃあ、お兄さんのほうもモテたんじゃないですか?」  だって顔が同じだもん。 「ああ、兄貴のほうには絶対別れなさそうな彼女がいたから、みんなあきらめてたね」  絶対別れなさそうな彼女……じゃあ優雅さんはいまもその人と付き合っているんだろうか。 「でも大雅って……高校入ってから、変わったんだよね」  虹乃さんがふっと私から視線をそむけてそう言った。 「女の子と付き合わなくなった……とかですか?」 「そう。ついでに他のことにもまったく興味なくなったっていうか、いっつもつまんなそうな顔してるでしょ?」 「まぁ、だいたいむすっとしてるか、怒ってますもんね」  虹乃さんがまた私を見て、うんうんとうなずく。 「やっぱり大雅は……あの子のことしか興味ないんだ」 「あの子?」 「そう。大雅の、好きな子」  心臓がまたどきんとした。そして胸の奥のほうが、じんわりと痛くなってきた。  恋野くんって……好きな人がいるんだ。
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