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「大雅はねぇ、その子と結ばれないからって、好きでもない女の子と付き合いまくってみたり、喧嘩してみたり、授業サボってみたり、しょうもないことばっかやってんの。バカすぎでしょ? 大雅はあの子と結ばれない限り、ずーっとこんな感じだよ」
虹乃さんが私の隣で、深いため息をついた。虹乃さんは恋野くんのこと、心配してるんだ。だから毎日ここに来て……
「あっ」
すると突然、虹乃さんが立ち上がった。
「おーい! 優雅!」
虹乃さんが渡り廊下に向かって、大きく手を振る。見るとそこに恋野くんのお兄さんの優雅さんがいた。
「じゃ、またね、紅子ちゃん」
「あ、はい」
虹乃さんはにこっと私に笑いかけると、優雅さんに向かって走って行った。そして優雅さんにぴったり寄り添って、その腕に自分の手をまわした。
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