第7話 絡まり合う心

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「なんでついてくるんだよ」  病院の外で恋野くんに追いつくと、恋野くんはふてくされた顔で言った。 「ていうか、お前なんであそこにいたわけ?」 「それは……」 「親戚のお見舞いなんて嘘だろ? もしかして朝見えたとか言ってた優雅の糸を、たどって来た?」  なかなか鋭い恋野くん。私はこくんとうなずく。 「じゃあつながってるんだ、まだ。その糸」  恋野くんが安心したようにつぶやいて、小さく息を吐いた。  私はそんな恋野くんの横顔を見ながら考える。  恋野くんはどうしたいんだろう。糸が切れて欲しくないのだろうか。でも……  大きな川に架かる橋の上で、私は立ち止まって言った。 「恋野くんの好きな人って……結衣さんじゃないの?」  私の声に恋野くんも足を止め、「は?」と振り向く。胸の奥がきりっと痛む。 「なんでそうなる?」 「そう思ったから」 「結衣は優雅の彼女だろ?」 「でも好きになるのは自由だよ」  恋野くんが黙った。歩道で立ち止まる私たちの横を、何台もの車が通り過ぎて行く。
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