第7話 絡まり合う心

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「うるさいな。私が誰を好きになろうと、あんたにはカンケーないじゃん」 「優雅には結衣がいるって、お前だって知ってるだろ? それにお前がほんとに優雅のこと好きだとは思えない」 「は?」  虹乃さんはじっと恋野くんの顔を見つめたあと、あははっと声を上げて笑った。 「まぁ、そう思われてるなら、それでもいいけど。でも私が優雅とうまくいったら、あんただって嬉しいでしょ? もしかしたら結衣ちゃんと付き合えるかもしれないもんねぇ?」 「そんなこと思ってねぇよ」 「はぁ? 結衣ちゃんのこと好きなくせに。あの二人が別れればいいって思ってるくせに。いまさらいい子ぶらないでよ!」  虹乃さんが恋野くんの肩をぐいっと押して、黒板に押し付けた。これは……逆壁ドンってやつだ。  そしてさらに虹乃さんは、恋野くんのネクタイをぐいっとつかみ上げ、にらみつけた。恋野くんは抵抗もしないで、虹乃さんにつぶやく。 「ほんとにそんなこと思ってないんだよ」 「嘘! 結衣ちゃんを優雅に取られたから、あんたそんなクズ男になっちゃったんでしょ?」 「クズ男って……まぁ、結衣のことは好きだったけど……でもいまはほんとに、別れて欲しいとか思ってないから」  虹乃さんが唇を噛みしめた。そんな虹乃さんに恋野くんが言う。ネクタイをつかまれたまま。
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