第7話 絡まり合う心

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「なんで優雅と付き合おうなんて思ったんだよ」  虹乃さんはうなだれて、消えてしまいそうな声で答える。 「あんたのためだからだよ……」  そのまま虹乃さんは恋野くんの足元にしゃがみ込んだ。私はドアの陰で息をのむ。 「私が優雅と付き合って、あんたが結衣ちゃんとうまくいけば……あんたが喜ぶと思ったからだよ」  虹乃さんは自分の膝に顔を押し付ける。 「あんたがまた笑ってくれると思ったからじゃん!」  しゃがんで背中を丸めた虹乃さんは、かすかに体を震わせていた。恋野くんはそんな虹乃さんを、じっと見下ろしている。 「あーもう……私、バカみたい……」 「そうだな。お前バカだわ」  恋野くんの放った一言で、虹乃さんは勢いよく立ち上がった。ものすごく怒った顔で。 「は? あんたがそれ言う?」 「だってバカすぎだろ。俺なんかのためにどうしてそこまでしようとするんだよ」 「それはあんたのことがす……」  虹乃さんはそこで言葉を止めて、頬を赤く染め、恋野くんから顔をそむけた。 「もういいわ。バカバカしい。これから縁結びの神さまのとこ、行ってくる」 「なにしに?」 「私を優雅と付き合わせてくださいって言ったの、取り消してくる」 「そうしてくれ」  虹乃さんがもう一度恋野くんのネクタイをつかみ上げた。そしてこぶしを強く握りしめ、恋野くんのお腹を思いっきりどんっと殴る。
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