第7話 絡まり合う心

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「うえっ……」 「あんたやっぱクズだわ。死ねっ!」 「に、虹乃ー……」  虹乃さんが怒った顔のまま、廊下へ飛び出してきた。私はあわてて柱の陰に隠れる。虹乃さんは私に気がつくことなく、走って行ってしまった。 「おい……」  呆然とそれを見送っていた私に、化学室の中から声がした。 「いるんだろ? そこに」  あわてて中をのぞくと、お腹を押さえてうずくまっている恋野くんが言った。 「これでいいだろ?」 「これでいいって……」 「これで俺たちの仕事はなくなった」 「そうだけど……」 「あとはこれを切ってもらえばいい。今日の放課後、一緒に神社に行こう」  恋野くんが赤い糸のついた小指を見せて、にっと笑う。だけど私は笑えなかった。 「虹乃さんに謝っておきなよ? 恋野くんのためを思って、こんなことしようと思ったんだから」 「わかってるよ」  恋野くんが指を下ろして私に言った。 「あとでケーキ買って、許してもらう」  私は恋野くんの前で、深くため息をついた。
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