第7話 絡まり合う心

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「そういうわけで、この糸さっさと切ってくれ」  放課後、恋野くんと神社に行った。猫神さまを呼ぶと、すぐに出てきてくれた。 『たしかにさっき願い主がここにきたにゃ。願いを取り消して欲しいとにゃ』 「だろ? だから俺たちの仕事はなくなった。もうここまでこき使ったんだから満足だろ? そろそろ俺たちを解放してくれよ」  恋野くんの声を、ぼんやりと突っ立ったまま聞く。だけどそれは、どこか遠いところから聞こえてくるような気がした。きっと私が聞きたくないと思っているからだろう。 「なぁ、紅子もそうして欲しいだろ?」  恋野くんが私に言った。私はびくっと肩を震わせてから、「うん……」と小さくうなずく。 『わかったにゃ』  私ははっと顔を上げる。二本足で立った猫神さまが、高いところから私たちを見下ろしている。 『その糸いますぐ、切ってあげるにゃ』 「えっ……」  思わず声を上げていた。だってあの猫神さまが、素直に糸を切ってくれるなんて思っていなかったから。  だから心のどこかで期待していたんだ。この糸はそう簡単に切れることはないって……
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