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翌週、予定通り結衣さんが学校に復帰した。そしてなんと、私と同じクラスになったのだ。運命はきっと、私たちの味方をしてくれている。
「よかった。紅子ちゃんと同じクラスになれて」
結衣さんは白い頬をほんのりピンク色に染めて、私に笑いかける。
「私も嬉しいです。結衣さんと一緒で」
私は春菜と葉月のことも、結衣さんに紹介した。二人もやさしく結衣さんを受け入れてくれた。結衣さんは少し恥ずかしそうにしながらも笑ってくれた。
ただ、結衣さんはみんなと離れると、とてもつらそうな表情をする。私はそんな結衣さんに、そっと声をかける。
「体調は……大丈夫なんですか?」
「うん。もう大丈夫。まだ激しい運動は止められているけど」
結衣さんはそう言って、寂しそうに微笑む。
やっぱり結衣さんは優雅さんと別れたことを、引きずっているのかもしれない。
私はポケットの中の赤い糸を握りしめる。早くこの糸を結衣さんの指に結んであげなきゃ。そして優雅さんとの仲を、元通りに戻してあげたい。
だけど焦れば焦るほど、私は結衣さんに触れることができず、時間だけが経過していた。
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