第8話 君が幸せになるように

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「今日は屋上でお弁当食べません?」  翌日、私は思い切って結衣さんを誘った。結衣さんはちょっと驚いた顔をする。 「屋上って……入れないんじゃ」  私は結衣さんの耳元でこそっとささやく。 「実は昼休みは鍵が開いてるんです」 「どうして?」  結衣さんの質問にどきっとする。 「えっと、誰かが鍵を借りて開けてくれるみたいなんです」 「そんなことできるようになったんだ」  結衣さんは休んでいる間に校則が変わったとでも思ったようだ。 「そうなんです! だから一緒に行きましょ!」  私はちょっと戸惑っている結衣さんを引っ張って、屋上へ向かった。
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