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「おそらくなにか企んで、結衣をここに連れてきたんだろう? 大雅にでも頼まれたのか?」
「あのっ、私はただ、二人に仲直りをして欲しくて……」
「君にそんなことする資格はないだろう?」
優雅さんの声にびくっとする。資格、資格、資格って……頭を混乱させている私の後ろで声がした。
「あるよ。資格は」
「こ、恋野くんっ」
いつの間にか私の後ろに立っていた恋野くんが、優雅さんに言った。
「だって俺とこいつは、縁結びの神さまの使いなんだから」
「は?」
優雅さんがまったくわけがわからないと言った顔をした。私もどんな顔をしたらいいのかわからない。だけど恋野くんはそんなの無視して続ける。
「バレちまったなら仕方ない。もうこそこそするのはやめるわ。お前らにはここで、よりを戻してもらう」
「大雅……お前、とうとうおかしくなったか?」
「おかしいのはお前だろ。好きなのに別れるとかありえねぇ。お前と結衣が二度と離れられないようにしてやる。手を貸せ!」
恋野くんは優雅さんに近づいて、強引に手をつかんだ。だけど優雅さんがその手を振り払う。
「なにすんだっ、離せ!」
「いいから貸せっ!」
「触るな!」
二人がもみ合い始める。止めなきゃ。また喧嘩になっちゃう。
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