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「きゃっ……」
「な、なんだ? お前ら!」
気がつくと結衣さんと優雅さんの間で、私は地面にうつぶせになっていた。その背中には恋野くんがのっている。
「こ、恋野くん……おもい……」
「うわっ、わりぃ……ってか、なんでいきなり力抜くんだよ!」
恋野くんが起き上がって、私に怒鳴る。
「だ、だって、恋野くんが近すぎて……」
「は? 俺は手伝ってやったんだろ!」
「おい。どういうことだよ。お前らなにやってんだよ」
のろのろと起き上がると、優雅さんと結衣さんが私たちを見下ろしている。結衣さんはびっくりしたあまり、優雅さんにしがみついている。
恥ずかしすぎて……泣きたい。
「まぁ、バレちゃったもんはしょうがねぇか」
恋野くんはそう言って立ち上がると、私の腕をぐいっと引っ張り上げた。私は恋野くんの隣にしぶしぶと立つ。
「この前も言っただろ? 俺たちは縁結びの神の使いだって。お前たちに運命の赤い糸ってやつを結びにきたんだよ」
優雅さんがめちゃくちゃ眉をしかめている。結衣さんも声を失ってしまったみたいだ。
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