第2話 涙のファーストミッション

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「春菜!」  休み時間、私は真っ先に春菜の席に駆け寄った。 「紅子?」  春菜はやっぱり心配そうな顔をしている。 「あの、春菜。私ね、桜庭先輩にフラれちゃった」 「うん……」  春菜が悲しそうな顔をした。私がフラれてしまったことを、本当に悲しんでくれているんだ。  だったら、だったら今度は私が、春菜の想いを一緒に感じたい。 「だからね、もう私に遠慮とかしないでいいから」 「え?」  春菜が驚いた表情を見せる。 「春菜の好きな人……教えて? 私、春菜の応援がしたい」 「紅子……」  春菜がまっすぐ私の顔を見た。そして静かにうつむく。 「ごめん。紅子。私、ずっと言えなかったんだ」  私は黙って春菜の声を聞く。 「言わなきゃ言わなきゃって思ってたんだけど……一生懸命な紅子の顔を見るとどうしても言えなくて……」 「うん……」  言えない雰囲気を作ってしまったのは、この私だ。 「私も桜庭先輩のこと……好きなんだ」  春菜の前でうなずいた。やっぱりそうだったんだ。春菜も先輩のこと……
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