第2話 涙のファーストミッション

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「なんか……悪かったな」  校門を出ると、私の隣で恋野くんがつぶやいた。  中庭で二人をくっつけたあと、先回りして教室で待っていた私に、「先輩と帰ることになった」と、春菜が言いにくそうに伝えてきた。私はそんな春菜に向かって、笑顔で手を振ることができた。  そして一人で昇降口を出た時、そこで恋野くんが私のことを待っていたのだ。 「悪かったって……なにが?」 「いや、あの時俺、勝手に結んじゃったけど……お前、手止まってたじゃん? やっぱり嫌だったんじゃないかなって」  恋野くんはちらっと私を見て、続けて言う。 「だってお前……桜庭のこと、好きだったんだろ?」 「え……なんでそれを……」  つい口走って、手で口を覆う。恋野くんはポケットの中から何かを取り出す。 「これ」  私は目を見開いた。恋野くんの手の中の小さなカードは…… 「昨日食ったチョコの中に入ってた」 「きゃー! 返して!」  恋野くんの手からカードをひったくる。そういえばチョコの中に、これを入れていたのを忘れてた。 『桜庭先輩 好きです 花園紅子』  恥ずかしさがこみあげてきて、消えてしまいたい。
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