第3話 恋する生徒会長

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「はー、めんどくせぇなぁ……」  私の隣から、ため息まじりの声がする。  よく晴れた昼休み。校舎と校舎の間の、中庭にある古いベンチに座って、私は恋野くんとお弁当を食べていた。  最近春菜は桜庭先輩に「一緒にお弁当を食べよう」と誘われていたらしい。それなのに私に気を使って、いつも断っていたそうだ。  それを知った私は春菜に宣言してみた。「私もお弁当食べる人ができたから別々に食べよう!」って。春菜は「それって誰?」とびっくりしていたけど。  それから私は毎日、恋野くんを誘ってお弁当を食べている。恋野くんも暇なのか、もしくは友だちがいないのか、ちゃんと言われた通り中庭にやってくる。  恋野くんとは、次の縁結びの作戦を立てるために会っているだけなんだけど。 「だいたいなんで俺たちが、あんなデブ猫にこき使われなきゃなんねーの? 縁結びはあいつの仕事なんだろ?」  ファーストミッションをクリアした私たちは、数日前に夢に出てきた猫神さまに再び呼び出され、次のミッションを言い渡されたのだ。  恋野くんはぶつぶつ言いながら、食べ終わった焼きそばパンの袋をぐしゃっと丸める。 「またこの前みたいに、強引に結んじゃえばよくね?」 「ダメだよ、そんなの。美しくないって、猫神さまに認めてもらえない」  私は恋野くんの隣で息を吐く。
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