第3話 恋する生徒会長

6/20

129人が本棚に入れています
本棚に追加
/185ページ
「恋野先輩って双子なんだよ。あの人は生徒会の役員をやってる、恋野優雅(ゆうが)さん」 「え、えー?」  思わず声をあげてしまった私を、周りの生徒がじろじろと見た。私はあわてて肩をすくめ縮こまる。  恋野くんが双子だったなんて。しかもお兄さん、全然雰囲気違うし。しかも生徒会の人だし。たしかに顔と体型は似てるけど、兄弟でこんなに変われるものなの?  恋野くんのお兄さんは壇上でにこりと微笑んで、マイクに向かってしゃべりだした。それだけで周りの女子たちがうっとりとした表情をしている。  私はあまりにもびっくりしすぎて、そのあと登場した書記の梅谷先輩のことも、演説をした椿会長のことも、よく見ていなかった。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加