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「恋野先輩って双子なんだよ。あの人は生徒会の役員をやってる、恋野優雅さん」
「え、えー?」
思わず声をあげてしまった私を、周りの生徒がじろじろと見た。私はあわてて肩をすくめ縮こまる。
恋野くんが双子だったなんて。しかもお兄さん、全然雰囲気違うし。しかも生徒会の人だし。たしかに顔と体型は似てるけど、兄弟でこんなに変われるものなの?
恋野くんのお兄さんは壇上でにこりと微笑んで、マイクに向かってしゃべりだした。それだけで周りの女子たちがうっとりとした表情をしている。
私はあまりにもびっくりしすぎて、そのあと登場した書記の梅谷先輩のことも、演説をした椿会長のことも、よく見ていなかった。
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