第3話 恋する生徒会長

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「ちょっとー! どういうことですか!」  翌日、いつものように中庭にやってきた恋野くんに言った。 「どういうことって?」  恋野くんはパックのイチゴジュースをストローで飲みながら、ベンチにどさっと腰掛ける。私はそんな恋野くんの前に立った。 「お兄さんがいるなんて知らなかった。しかもお兄さん、生徒会の役員じゃん!」 「あー、言ってなかったっけ? お前に」  恋野くんはどうでもいいようにそう言って、袋の中から今日も焼きそばパンを取り出した。恋野くんは毎日飽きもせず、イチゴジュースと焼きそばパンを売店で買ってくる。 「聞いてないよ! でもお兄さんが役員なら、もしかして恋野くんも、生徒会の人たちと仲いいんじゃないの?」 「まさか。仲いいはずねぇだろ。俺は生徒会なんか、興味ねーし」  パンをかじりながら恋野くんが言う。まぁ、たしかに興味なさそうだけど。 「それより作戦どうなった? どうやってあいつらに糸結ぶ?」 「それは……」 「なんだよ、考えてねーの? 使えねぇな」  なんで私がそんなこと言われなきゃいけないの? もういやだ。  ぶすっと頬をふくらませ、ベンチに座った。恋野くんからできるだけ距離をあけて。 「なに? 怒ってんの? お前でも一応怒るんだ」 「ど、どういう意味よ!」  隣で恋野くんがははっと笑った。なんだかおかしそうに。いつも私のこと、にらんでばっかりのくせに。
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