第3話 恋する生徒会長

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「俺、いい作戦考えちまった」  恋野くんがいたずらでも思いついたような顔つきで、にやりと笑う。 「今日の放課後、生徒会室にあのくそ生意気な生徒会長を呼び出して、俺が襲うふりをする」 「えっ」 「あの女、男に慣れてなさそうだから、きっとキャーキャー騒ぐはずだ」  私はさっきの、会長のあわてた様子を思い浮かべる。 「そこにお前が梅谷を連れてくる。襲われてる会長を梅谷が助けて、そのすきに糸を結んで、めでたしめでたしってわけ」 「そ、そんなのうまくいくはずないよ」 「絶対うまくいくって」  恋野くんは人ごとのように気楽に言う。 「じゃあ放課後。お前ちゃんと梅谷連れて来いよ」 「そ、そんな……」  チャイムが鳴って、恋野くんが去っていく。  どうしよう。上手くいく自信が全然ないけど……  私は自分の小指を見つめる。指につながった赤い糸は、去っていく恋野くんに向かってずうっと伸びている。  この糸を断ち切るために……やるしかない。
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