第3話 恋する生徒会長

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 放課後、三年生の教室に一人で行き、ドキドキしながら梅谷先輩を呼び出してもらった。教室から出てきた、地味だけど人のよさそうな梅谷先輩は、私の顔を見て首をひねる。 「あの、君は……」 「あ、えっと、一年二組の花園と言います。突然すみません。椿会長に伝言を頼まれまして」 「会長から伝言?」  ああ、いい人に嘘をつくって胸が痛む。 「はい。梅谷先輩に、生徒会室に来て欲しいそうです」  梅谷先輩はさらに首をかしげた。 「生徒会室に? 今日はなんの会議もないはずだけど?」  やばい。この人、私のこと疑ってる? ぼうっとしているようで、意外と勘が鋭いのかも。背中にへんな汗が流れる。 「きゅ、急に話し合う議題ができたみたいです!」 「だったら優雅たちも呼ばなきゃ」 「い、いえっ、梅谷先輩だけで!」  梅谷先輩がじっと私の顔を見る。私は咄嗟に先輩の腕をつかんだ。 「とにかくっ、会長が呼んでるんです!」  私は嘘をつくのが、めちゃくちゃ下手だ。
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