第3話 恋する生徒会長

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「お前さぁ、来るのがおっせーんだよ」  校門を出て、並んで歩きながら恋野くんが言う。 「だって……」 「間を持たせるの大変だったんだぞ。あー、腰いてぇ」  さっき会長に投げ飛ばされて打ち付けた腰を、恋野くんがさすっている。  でも私には、あれが演技だったのか本気だったのか、よくわからなかった。 「ねぇ、もし会長に投げ飛ばされなかったら……あのまま、その……キスとかしてた?」 「は? するわけねーだろ。なんで俺があんなかわいくねー女と」 「かわいいよ」  私はそう言って恋野くんを見る。 「椿会長はすごくかわいいと思う」  梅谷先輩を見つめる時の目。普段と全然違ってた。  恋をしている女の子は、きっと誰だってすごくかわいい。 「どこがだよ」  恋野くんが顔をしかめてつぶやく。  私たちはそのまま並んで歩いて、猫神さまの神社に来た。  猫神さまは今日も姿を現していて、人間のように横向きに寝転がり、のんびりお昼寝をしている。  そんな姿を見た恋野くんが、いらいらした口調で言う。
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