129人が本棚に入れています
本棚に追加
知らない、知らない。私には関係ない。
『あいつはやめといたほうがいいよ』
だって私は恋野くんと付き合ってないし、恋野くんのことなんか好きでもないし。
「紅子? どうしたの?」
そんなことを悶々と考えていたら、湊くんたちのことを考えるのを忘れていた。
「もう昼休みだけど……」
「え?」
ランチバックを持った春菜が、私のことを心配そうに見ている。
「行かなくていいの? 中庭」
「あ、うん。そうだね……」
恋野くんに会って、湊くんのことを報告しなくちゃ。
私はお弁当を持って立ち上がる。だけどなぜか中庭に向かう足が、すごく重かった。
最初のコメントを投稿しよう!