第4話 君は僕の安全地帯

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「あ、あのね。湊くんの好きな人なんだけど……」 「ああ、凪って子? どんな子だった?」 「それが……男の子だったの」 「は?」  恋野くんがぽけっと口を開けて私を見た。私の頭に湊くんの顔が浮かんで、またドキドキしてきた。 「ねぇ、これっていいのかな? だって男の子同士だよ? おかしいよね?」  すると恋野くんはまた顔をしかめて、そして言った。 「どこがおかしいんだよ。別にいいじゃん」  私は恋野くんがそう言うとは思ってなかったので、すごくびっくりした。 「だってあの猫神、男女の恋愛とは言ってなかったし。男同士だろうが女同士だろうが、好きならそれでいいんじゃね?」  声も出せずに、私は恋野くんの顔を見つめる。 「まぁ自分の知ってる世界が、この世の中のすべてじゃないってこと」 「あ、あの……」  私はなんとか声を振り絞って、恋野くんに言った。 「すごいね、恋野くん! 私恋野くんのこと見直したよ!」 「はぁ?」 「そうだね。私は自分の知ってる世界がすべてだと思ってた。でも違うんだ。違う世界もあっていいんだ」  恋野くんはあきれたように私を見てから、ふんっと目をそむけた。
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