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「で? どうやってそいつらに糸結ぶ?」
「それは……」
「またこの前の作戦で行くか? 俺が襲うふりして、それを助けて……」
「男が男を襲って、男が男を助けるって……ややこしくなるからやめて」
「じゃあ……」
恋野くんがまた、いたずらを思いついたように笑う。
「女を投入して、嫉妬させよう」
「は? なにそれ」
恋野くんはずいっと私に体を近づける。私はそれを避けようとしたけど、なぜか動けない。
「お前が凪ってやつと仲良くするふりをして、湊に嫉妬させ、その勢いで告白させる」
「やだよ、そんなの。湊くんをだますのも、凪くんをだますのも、いや」
恋野くんが機嫌悪そうに、むすっとする。
「じゃあお前が考えろ。俺はもう考えない」
なによ。さっきちょっと見直してやったのに。
すぐすねる恋野くんは、やっぱりどうしようもない人だ。
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